研究員ブログ

第25回政策研究セミナーを開催しました

 平成19年8月23日に第25回政策研究セミナーを開催しました。当日は大勢の皆様にご来場いただき、大変盛況な講演会となりました。

 今回は、コミュニティ・ビジネスの伝道師であられる(有)コミュニティビジネス総合研究所 の細内信孝所長をお迎えして、「地域資源からビジネスへ~コミュニティ・ビジネスの可能性~」をテーマにお話をいただきました。私自身、「コミュニティ・ビジネス」という言葉を、本年4月に当センターに派遣されてから知りましたが、講師のお話や著書等に触れる中で、コミュニティ・ビジネスは、現在の社会情勢における地域活性化策として非常に有効なツールであるという印象を受けました。

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 また、今回のセミナーと合わせ、愛媛県研修所が主催された地域課題解決講座(~コミュニティ・ビジネスの手法を学ぶ~)にも参加し、実際に事業企画書や店舗(事務所)の計画書、資金計画書などを作成し、研修の最後には各班ごとにビジネスプランを発表するなど、実践的な内容について学習させていただきました。ある程度の予備知識を持って臨んだ研修でもあり、事業企画書や店舗などの計画書作成までは何とか進めたものの、資金計画書の作成段階で頓挫してしまい、起業の難しさと自分のビジネス感覚の無さを痛感いたしました。細内講師も、コミュニティ・ビジネスはある程度継続した活動でないと成果が出ないとお話されたように、ビジネスの視点における資金計画は重要なポイントであり、この部分が曖昧だとコミュニティ・ビジネスとして成立しないということです。

 ちなみに、私の所属した班のビジネスプランは、上島町を舞台にした島の便利屋さん業、名付けて「かけはしサービス」(上島四島にコミュニティの橋を架けるという意味ですが・・・)を提案いたしました。内容を簡単にご説明しますと、島内の企業などの退職者で構成するNPO法人を立ち上げ、庭の草引き、買い物の代行、家具等の組み立て、雨戸の修理、レモンの収穫など、島内の身近な課題やニーズを住民から請け負うという事業でしたが、資金の調達方法など、資金計画の甘さをご指摘いただき、改めてビジネスの難しさと、マネジメント能力を有する人材の必要性を感じました。なお、 コミュニティ・ビジネスや講師についての詳細はこちらまで。

 さて、次回の政策研究セミナーは、平成19年9月6日(明後日ですが・・・)NPO法人結まーるプラス理事長のかわべまゆみ氏をお迎えし、「2007なんよ地域づくり事例発表会」を開催します。地域づくり先進地での取り組み事例報告や、地域づくり実践者によるパネルディスカッションなどを予定しております。詳細並びにお申し込みはこちらまで。

(文責 企画研究部門 研究員 渡邊赴仁)

海のホタル

地域づくり人養成講座の第3回目は宇和島市遊子地区で行われ、受講生は遊子地区の景観を生かした地域コミュニティについて学習をした際に、地元の段畑を守ろう会の方から、段々畑を灯籠で照らすイベントの紹介がありましたが、その遊子地区に向かう道中にある宇和島市三浦地区でも、現在、養殖筏をイルミネーションで輝かせている取り組みをしています。

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昼の養殖イカダ(左)と夜の養殖イカダ(右)

その取り組みをしているのは、三浦地区にある土居真珠さん。土居真珠さんでは、今年の夏から「海のホタル」と題して養殖筏をイルミネーションで輝かせています。この取り組みは養殖筏を使わない夏の時期しかできないもので、9月中旬頃までやっているそうです。

また、土居真珠さんでは、体験型観光ということで「真珠の核入れ体験」や「パールオーナー制度」など、宇和島真珠のブランド化とともに宇和島が誇る「真珠」を素材にしたさまざまな「地域おこし」の取り組みをされています。

この土居真珠の社長をしている土居一徳さんは、東京の大学やアメリカへ留学しているときに、宇和島の海と真珠の素晴らしさを知って、宇和島は世界にも通用すると思われたそうです。まちづくりの要素である「ヨソモノ」の視点を思い出しました。

また、地区の三浦漁協では、ブルーツーリズムで「シーカヤック」にも取り組んでいます。これは、宇和島市のすすめるグリーンツーリズム事業である「虹色ツーリズム」の一環として行われており、特に三浦地区や遊子地区のある三浦半島と離島をその重点地域に指定していることも影響しているようです。

このほかにも、三浦地区には地区独特の芸能である「鹿踊り」や、地域の人たちが農作物や水産加工品を出店する日曜朝市などもあり、遊子地区とともに地域活性化の要素や可能性をもっている地域だといえるでしょう。

なお、イルミネーションに関するお問い合わせは、土居真珠さんのHPを参照してください。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)