研究員ブログ

団塊世代の必携の本!?

今年度に当センターではこれまで3回の政策研究セミナーを開催しております。そのうち、第25回政策研究セミナーの講師としてお招きした(有)コミュニティビジネス総合研究所長の細内信孝さんが編集にたずさわった書籍「団塊世代の地域デビュー心得帳」が、このほど株式会社「ぎょうせい」さんから発売されました。

細内信孝さんは言わずと知れた「コミュニティビジネス」の第1人者です。

2007年問題とも言われる団塊世代の大量退職。それを受けて愛媛県では移住・交流の促進を推進しており、当センターも「えひめふるさと暮らし応援センター」を設置し、愛媛県への移住・交流ポータルサイト「e移住ネット」も新たに開設しています。

これから団塊世代が大量に地方に、そして地域にデビューする機会がこれから増えてくるわけですが、そんな団塊世代の地域デビューで成功するための準備や心構え、具体的実践方法(コミュニティ・ビジネス)、先にデビューを果たした先輩の成功事例などを、この本ではわかりやすく読みやすく紹介しています。

田舎暮らしをしようかなと考えている方、必携の書ですよ。

書籍

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 目次
  プロローグ 地域デビューの時代、地球で星はキラリと輝く
  序章 地域デビュー挑戦の時代
  1 地域デビューのための準備I
     不安解消・お付き合いのためのヒント
  2 地域デビューのための準備II
     あなたをもっと魅力的にするためのヒント
  3 地域デビューへの道標
     ご近所ノート
  4 地域への想いを形にしよう
     コミュニティ・ビジネス実践編
  5 元企業戦士が行く!
     一足お先に地域デビューした先輩たち
  最終章 私たちのこれからと同世代へのエール
  エピローグ
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(ぎょうせいHPより引用)

書籍の購入を希望されている方は、株式会社「ぎょうせい」のHPを参照してください。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

地域づくり団体全国研修交流会愛媛大会第3回実行委員会を開催しました。

平成19年11月13日(火)、西予市中央公民館において第3回目の実行委員会を開催しました。

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※会議の様子

第3回実行委員会では、愛媛大会の大会テーマを決定し、平成20年2月1日・2日に開催される茨城大会の派遣に関することのほか、その茨城大会で愛媛大会のPR方法について協議いたしました。

以下は決定事項です。

1.愛媛大会のテーマについて
 愛媛大会の大会テーマを委員の投票により、「きなはいや伊予の国~広めよう地域づくりの輪~」に決定いたしました。

2.茨城大会での愛媛大会PRについて
 茨城大会での愛媛大会PRについては、①PRリーフレットの作成、②大会参加者への愛媛県PR、③全体会の中でのPRの3つを大きな柱に行うことになりました。

3.茨城大会の実行委員会から派遣について
 茨城大会の派遣に関することを協議し、前夜祭から参加を行い愛媛大会のPRを行うことになりました。

4.第3回の実行委員会の開催について
 第4回の実行委員会の開催については、平成20年3月中旬で場所は西予市で開催する旨を事務局よりお伝えいたしました。

5.その他
 えひめ地域づくり研究会議が主催する「年次フォーラム2008」に、愛媛大会実行委員会が同フォーラムを愛媛大会のプレ大会と位置づけて参加することとし、実行委員会が共催することが承認されました。

その他、同じ内容の記事を事務局日誌で掲載しています。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

路地から見えてくること。

最近公開された「ALWAYS 続 三丁目の夕日」という映画があります。すでにご覧になられた方もおられるのではないでしょうか。これは前作の評判がよくて続編がつくられたそうです。

筆者は続編については残念ながらまだ見たことがないのですが、前作に引き続き昭和30年代半ばの経済発展につきすすむ東京の下町に生きた庶民の交流を描く感動作品にしあがっているそうです。

この映画はもともとはマンガ「三丁目の夕日」が原作になっているそうで、このお話は中国の教科書にも掲載されているとかしないとか。

さて、私は前作の「ALWAYS 三丁目の夕日」を見てたいへん印象的な場面がありました。

それは俳優の堤真一さんが社長演じる(社長といっても小さな自営の自動車修理の町工場ですが)「鈴木オート」に、電気冷蔵庫がやってきたときの話です。それまでは氷屋さんがもってきた氷を木製の箱に入れて食べ物を保存していたのが、電気冷蔵庫の登場により路地裏の粗大ゴミのところに木製の箱をすてられてしまい、それを悲しげにピエール瀧さん演じる「氷屋さん」が眺めるシーンがあります。

その氷屋さんの表情になんとも言えない哀愁を感じるとともに、経済発展の名の下にどこか日本が置き忘れてしまった時代の流れの裏側を見た思いがしました。

さて、この作品、その氷屋さんのシーンに代表されるように多くの「路地」でのシーンが登場します。現在は車社会になってしまい、防災や救急医療、交通の関係もあり、法令等により土地区画整理がなされて、路地というものがだんだん少なくなってきており、「路地裏」という言葉さえも使われることが少なくなってきたような感がありますが、それにあわせて残念ながら「コミュニティ」というものもだんだんと薄くなってきたようにも思います。

路地というモノは当然道が狭いわけですから、お互いの顔が近くてその存在が見えるということです。ですが、現代はプライバシーの問題をいわれている時代となっており、車社会の現代では路地はただの狭い道でしかないようになってきました。

でも、この映画「三丁目の夕日」が描かれている世界は、そういうお互いの顔が見える路地裏があるこそ「コミュニティ」と呼ぶべきものがあったように見えましたが、みなさんはどのようにお考えですか?

さて、そういう「路地」をテーマにしたまちづくりの本もあります。興味のある方、ぜひご覧ください。

路地からのまちづくり

関連本

ちなみに、宇和島市津島町岩松地区では、「岩松横っちょストーリー」と呼ばれる岩松地区の古い町並みの狭い路地を利用したフリーマーケットが年に数回行われています。

また、当センターが主催する「地域づくり人養成講座」の「地域福祉」のテーマで現地研修で訪問した託老所「あんき」のある松山市西垣生地区も狭い路地が多い地区でもあります。

狭い路地だからこそお互いの顔が近くなり、会話が生まれ、交流が生まれる。そういうことを意識してみると、「路地」というものから教えられることはあるのかもしれませんね。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

「ゆるキャラ」カップ開催!

今日の記事は愛媛県の話題ではなく、鳥取県の話題です。

みなさんは「ひこにゃん」というキャラクターをご存知ですか?
知らない人もおられるかもしれませんので説明いたしますと、「ひこにゃん」とは、滋賀県彦根市にある彦根城の築城400年を記念して実施されているイベントのキャラクターのことを言います。

「ひこにゃん」はその愛くるしい姿から400年祭そのものよりも人気があると言われているほどで、まもなくイベントが終了しますが、「ひこにゃん」の存続運動が起きており、このほど彦根市の特別住民票も発行されたそうです。

そんな「ひこにゃん」たちのような、イベントなどのキャラクターでかわいくて、やさしいんだけど、どこか変なキャラクターのことを、「ゆるキャラ」と呼ぶそうです。

そんな「ゆるキャラ」たちの中で、それぞれの出身団体やイベントの意地とプライド(?)をかけてナンバーワンを決めるという、なんともユニークなイベント(運動会)が、昨年から鳥取県の鳥取砂丘を会場に開催しているのです。
 
それが11月11日(日)に開催された「第2回ゆるキャラカップ(主催:鳥取県観光連盟主催)」です。
 
http://www9.ocn.ne.jp/~kanren/fileyurukyara02-yokoku.htm
 
このイベントでは、ぬいぐるみを着た「ゆるキャラ」のメンバーが鳥取砂丘でさまざまな競技に挑戦して勝負を競うというモノです。過去のイベントの様子をうつした上記サイトを拝見していると、マスコットキャラクターの意地とプライドをかけて勝負しているのが妙に笑えてしまいます。

ただ、それと同時に実際に「かぶりもの」を身につけてイベント出演のアルバイトをしたことがあります私としては、たいへん重労働な仕事であることを知っているだけに、その中でこんな競技をするなんてたいへん尊敬してしまいます。

今年の気になるその様子はコチラ↓

様子1

※なんとも愛らしい様子

様子②

※審査員さんも大笑い

優勝

※賞状をもらっているのは、生涯学習フェスティバルのキャラクター「マナビイ」です。

このイベントには残念ながら愛媛県からは参加しているキャラクターはなかったようですが、愛媛県にどんな「ゆるキャラ」がいるかご存じですか?けっこう奥が深いですよ。
 
愛媛県内のおもな「ゆるキャラ」

・坊ちゃりん(松山競輪)
・あいピー(愛媛県の献血マスコット)
・オレンジェル(愛媛産かんきつマスコット)
・伊予のひめ丸(伊予牛「絹の味」マスコット)
 
などなど。このほかにもたくさんあります。最近でいいますと、宇和島市商工会議所が同市出身のイラストレーター「カナヘイ」さんにお願いして、牛鬼のキャラクター「もーに」ちゃんを制作しています。県内のさまざまなイベントに参加したときに「ゆるキャラ」にも注目してみてくださいね。

しかし、そういうキャラクターたちを同一種目で競わせようという発想がおもしろいですね。これぞ地域づくりにおける「バカモノ」の視点といったところでしょうか?

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)

土井中照さんのお話を聞きました

去る11月3日の文化の日に、今治市在住のフリーライター土井中照さんのお話を聞く機会がありました。

土井中照さんは、今治をやきとりの町にした方としても知られており、現在は全国やきとり連絡協議会の事務局長兼後援会長としてもご活躍されています。

ところで、みなさんは「焼き鳥」の定義って、みなさんご存知ですか? 広辞苑にはこのように書いてあります。

鳥肉に、たれ・塩などをつけてあぶり焼いたもの。牛・豚などの臓物を串焼にしたものにもいう。

そうなんです。やき鳥と言っているのにもかかわらず、「牛」や「豚」の臓物を串焼きにしたものも「やきとり」っていうんです。しかも俳句で言うと「焼き鳥」の季語は「冬」って知ってましたか?? ちなみに、今治市は純粋に「鳥をつかったやきとりの消費が日本一」だそうです。

土井中さんからは、そんな焼き鳥の定義のお話から、今治の独特の鉄板で焼く「やきとり」文化についてのお話をしていただき、今治が焼き鳥日本一の宣言をしたら全国にそれが波及して、「うちが日本一だ」と宣言したやきとりの街が7都市集まって現在は「全国やきとり連絡協議会」という組織をつくり、毎年「やきとリンピック」というサミットのような形でもちまわりで「やきとり」のイベントを開催したり、世界一長いやきとりを競う「セカチョー」というイベントを実施しているそうです。

このように全国的にも知られるようになった鉄板で焼く今治スタイルの焼き鳥ですが、土井中さんは大学で京都に行くまで「やきとりは鉄板で焼くものだ」と思っていたそうで、はじめて京都のやきとり屋さんで「焼き鳥は通常は串にさして出てくるものであり、今治のほうが通常ではない」ということを知ったそうで、「ヨソモノ」の視点をここで思い出しました。

また、今治では「やきとり」については市民それぞれにやきとりに対する「こだわり」があり、すでに食文化というべき存在になっています。ただ、このような市民こだわりの「食」というものはどの地域でも絶対にあるんだけど、地元の人たちは日常生活の中で当たり前と思っていて、それに大きな価値があることに気がついていない、そんなことが多いんですよと土井中さんは述べられていました。

また、なぜ、「食」というものにこだわったのかということについても、土井中さんは「その地域のことをもっとも親しみやすく抵抗なく知ることができることのひとつが「食」である」と述べられていました。歴史や文化といったものは本などで勉強しないとその地域のことを知ることができないが、地域独特の食べ物や食べ方というものは、ほかとの違いがすぐにわかりその地域の特性や文化を手軽に知ることできるということなのでしょう。

土井中さんはもともとは広告マンということで、広告の仕方や人へのPRの仕方に長けていることもあり、「ワンフレーズ」や「シンプル」さ、「一目瞭然」ということがいかに重要であるかということについても述べられ、話を聞きながら「食」というものはまさしくそれに合致するし、地域づくりにおいて「食」というものは重要な要素なのだなあと思いました。

土井中さんのお話はとてもユニークなもので、さすがフリーライターさんだけあって丹念に調査をされており、資料的な裏づけもあわせて説明していただき、たいへん有意義なお話をおうかがいすることができました。

最後に、街を元気にするための法則として二つを教えていただきました。

ひとつめは、「あいしてる」の法則です。

あ・・・愛の力を信じる

い・・・1番をめざす

し・・・システムをつくる

て・・・手塩にかけて考える

る・・・類をみないことをする

そして、もうひとつの法則は「やさしくね」の法則です。

や・・・役者になろう(役割を自覚する)

さ・・・サービスめいっぱい(外部マスコミの活用)

し・・・私物化しない(組織の円滑な運営)

く・・・苦労はいっしょに(それぞれの立場を理解)

ね・・・念には念を入れる(運営トラブルの回避) 

若松進一さんも「地域づくり失敗の10か条」という言葉を述べられていますが、土井中さんの言葉にも含蓄がありますね。また、土井中さんは愛媛に関するさまざまなユニークな著書も書かれていますので、興味のある方はこちらをご覧ください。特に愛媛の校歌はたいへんおすすめとのことで、郷土愛あふれた一冊になっているそうです。

(文責 まちづくり活動部門 研究員 谷本英樹)